固定具は、簡易キャッパーのフタをつかむ部分(Cap holder)です。様々な素材、形状、強度の物があります。開発技研では、容器や作業方法に合わせて、最適な固定具をご用意いたします

フタをつかむ樹脂部分の素材
樹脂製固定具の長所は、軽くて強くて、そして容器のフタに傷をつけにくいことです。金属製の固定具で絞め方が悪いと、簡単にフタに傷が付いてしまいます。
固定具は3Dプリンターで製作します。その素材には、様々な樹脂が使用可能ですが、強度や耐食性などを考慮し、主に下記の5種類を使用しています。それ以外にもPOM(ポリアセタール)やPEEKなど他の樹脂も使用可能ですが、費用と製作時間がかなりかかってしまいます。
素材名 | 補足 | 耐熱温度 |
PETG | 非結晶性PET系樹脂(高耐衝撃性) | 約85度 |
ポリアミド(PA) | ナイロン6系、炭素繊維強化型を使用 トルエンやスチレンに強い | 約120℃ |
ポリカーボネート(PC) | 炭素繊維強化型を使用 | 約125℃ |
ポリプロピレン(PP) | 炭素もしくはガラス繊維強化型を使用 様々な薬品に使用可 | 約120℃ |
ABS | 形状確認などに限定的に使用 | 約80℃ |





これら5種類の中でも、耐薬品性、耐候性、樹脂の特性などから、PETG樹脂を使用することが多いです。特にPETGは非結晶性のPET誘導体なので、結晶性PETのように硬すぎず、適度な柔軟性を持っています。そのため、衝撃のかかるキャッパー固定具に向いています。また、トルエン・スチレンなどの一般的な樹脂が苦手とする溶液を使用する環境では、ポリアミドを使用することもあります。手動のラチェットレンチやトルクレンチを使用する場合は、軽量性(と強度)を重視して、炭素繊維が含まれているものを使用する場合もあります。
固定具の金具(フィッティング)は締付トルクなどに合わせて選べます

固定具には金属製の金具(フィッティング)がついており、樹脂部とレンチの間を繋いでいます。右の写真の金属の部分がそれにあたります。中、高トルク用の金具では、溶液が付きやすい部分はステンレス(SUS304)製でできています。
金具には通常下記の4種類のいずれかを使用しますが、特殊な形状の金具を使用するときもあります。下記に通常使用する4種類の金具を使った固定具の例を示します。

BIB容器や4L程度までの小さいフタのポリ容器に使用します。電動ドライバーを使用するとトルク管理もしながら作業効率を上げられます

5~20Lの大きいフタで、比較的低いトルクの場合に使用します

中強度フィッティング
5~20Lの大きいフタで、中程度のトルクの場合に使用します

20L容器で比較的高いトルクで使用する際に使用します

(2023年8月末出荷)
20Lポリコン用です。お客さんの好みに合わせて、金具のソケット部分が特殊な仕様になっています。また樹脂部分も、見た目ではわかりにくいですが、製造及び製法を改良することにより、更に靭性を高めています(以前の製品でも十分な強度はありますが)。色は、好みです。色が違うと、微妙にサイズが違うフタ固定具を区別できて楽ですね。
トルクレンチや電動ドライバーなどの締付工具との接合部分は、必要に応じて変更することができます(製作後の変更は不可)。
上記カタログは2024年最新版に更新しました (更新日2024/8/29)
簡易キャッパー製品全体のページに戻る場合は、簡易キャッパーECシリーズのページにお進みください