滑り止めの出っ張りがとても小さいフタでも使える半自動キャッパーです。様々な小型容器で、簡単安価にトルク管理ができます。最大で、開栓トルクが4N・m程度の締付け能力が有ります(フタにより異なります)。他社から販売されている、すり鉢状のゴムパットをフタに押し付けるタイプとは根本的に機構が違います。フタを上から押さえつけないため、トルクの値がずれず、フタに対して滑らないので摩耗の心配もありません。
GTタイプの高精度簡易キャッパーの例(写真は旧モデル)
容器やフタの特性により、様々な電動トルクドライバーから目的に合ったものを選択・使用します。簡易キャッパーは、電動トルクドライバーの先端に、GTタイプのフタ固定具が付いています。フタ固定具は、電動ドライバーの振動でフタを強く掴む特性を持っているため、出っ張りがとても小さいフタでも、強いトルクで締め付けることが出来ます。高精度簡易キャッパーは、最適化された電動トルクドライバーと、様々な工夫が取り入れられたフタ固定具を併せて使用する事により初めて高精度になります。市販の電動ドライバーをそのまま使用しても、高精度簡易キャッバーの様なトルク精度は出ません。ご注意ください。
ほぼつるつるのフタでも、締付トルク管理しながらフタ閉めができます!
滑り止めの出っ張りがとても小さいフタ用の簡易キャッパーです。主に1L以下のポリ容器に使用します。
中型・大型ポリ容器のフタには通常、下記の写真の様に、滑止めの出っ張りが外周部についています。

その様な容器は、その出っ張りにひっかける形でフタを簡単に回せます
しかし一方、小型容器では下記の写真の様に、深さ1mm以下のしま模様のような、僅かな出っ張りしかない物が多いです。


簡易キャッパーGTは、上の3種のフタのような、出っ張りがとても小さいフタの締付けに使用します。左にある金色のものは、大きさの目安の単三乾電池です。
高効率の充填ライン上で、このようなつるつるのフタで締付トルク管理をしたい場合、高価な自動キャッパーが必要となってきます。しかし小型容器を使用する工場では、少数多種(類)生産の場合が多く、多種の容器に自動キャッパーを対応させる必要が出てきます。しかし複雑な自動・半自動キャッバーをそれらの容器に対応させることは、コストと現場作業員の手間の点から、実際の所、現実的とは言えません。
そこで開発技研では、そのような出っ張りの小さいフタにも使用できる簡易キャッパーEC-GTを開発しました。これは、トルククラッチ付きの電動ドライバーの先に、出っ張りの小さいフタ専用のフタ固定具(GTタイプ、以後GTタイプのフタ固定具と呼びます)が取り付けられた構造をしています。このフタ固定具は、柔軟性、強度、摩耗耐久性を併せ持った特殊な樹脂を使って、3Dプリンターで作製されます。また電動ドライバーの力によりフタを強く掴む構造になっているために、高い締付トルクで締め付けできるようになっています。またフタ固定具GTは、毎回お客様の容器のフタに合わせて最適なものを毎回設計・製作します。
簡易キャッパーGTの製作例: 1.8Lポリ容器
下記のグラフは、上の3つのフタの内、一番上のフタ用に製作した高精度簡易キャッパーEC-D2A-GTの締付け特性をグラフで表したものです。トルククラッチ付きの電動ドライバー上の設定ダイヤルを各値に設定して締付を行い、締付直後に開栓トルクを測定したデーターです。


電動ドライバーの設定ダイヤルの値を横軸に、締付直後の開栓トルクを縦軸にしてプロットしました。使用した簡易キャッパーGTは高トルクタイプなので、横軸設定値は2未満は測定していません。開栓トルク概ね2N・m以下では通常タイプの簡易キャッパーGTを使用します。データーの各点の上下の棒は標準偏差。
GTタイプの高精度簡易キャッパーには、通常タイプと高トルクタイプの2種類がありますが、これは低トルクタイプのEC-D2A-GTです。 上のグラフから、1.0~2.0N・mの開栓トルクになる締付を高精度に出来る事が分かります。ちなみに、このフタの締付トルクの規定値は1.5N・mなのでこの範囲しか調べていない為にこの範囲であって、通常は、3Nまで締め付けられます。しかし実際このタイプのフタはそんなに強く締めると手で開かなくなるので、そこまで強く締め付ける事は通常ありません。
このグラフをみて開栓トルクが1.4N・m程度になるように、電動ドライバーのトルク設定ダイヤルを4.5に設定して、締付を行った時の様子は下記の動画の様になります。
簡易キャッパーをフタに取付ける時、外す時は、とても軽く楽にできます。それにも関わらず、締付は滑らず、強いトルクで締め付けられます。これが他社製品に無い簡易キャッパーGTの特長の一つです。
このような締付テストを連続で65回行った結果が、下記のグラフです。
電動ドライバーのトルク設定ダイヤルを4.5に設定し、連続的に65回締付テストを行った結果が、上のグラフですが、概ね開栓トルクが、1.3~1.5N・mの範囲に収まっていて、高精度に締め付けられていることが分かります。締付トルクが3N・m程度以下ならば、容器を治具器具で押さえなくても、このぐらいの誤差内に収まります。ちなみに、開栓トルクの測定は容器を治具で固定せずに行っているので、測定誤差は大きめに出ます。よって、実際の締付誤差は、上記の誤差よりもさらに小さくなると考えられます。HP内の他の簡易キャッバーなどのばらつきを示す表記法の%SD (開栓トルクのばらつきの標準偏差を、開栓トルクの平均値で割った値に100を掛けたもの)で示すと、3.5%となります。この値は、手締めのトルクレンチ(4%台)と同等か少し良い結果となります。
高トルクのGTタイプ高精度簡易キャッパーEC-D3A-GTの結果は、追って掲載いたします。
フタへの付け外しが軽くて楽なのに、高い締付トルクを掛けられる不思議なフタ固定具、GT
GTタイプのフタ固定具は、締付毛の際に滑らすがっちりフタを固定するのに、フタに付けたり外したりするときには、軽くて楽なのも、長所の一つです。
下記にGTタイプのフタ固定具の例を数件挙げると、
まず下記の緑のフタは、500mlの試薬などを入れるポリ容器です。中身が漏れると大変なので、しっかりとトルク管理したいですよね。
500ml小型ポリ容器の締付
下の白いフタは、身の回りでよく見る100ml程度の小型ポリ容器のフタです。いろいろなタイプがありますが、いずれも、フタ締めが弱いと中身が漏れてしまいますし、強すぎると女性が開けられなくなってしまいます。日用雑貨品であっても、簡易キャッパーでトルク管理しながら、楽に高速に製品を出荷したいですよね。
実際に締めている時の様子は、後日掲載いたします。
による100ml小型ポリ容器の締付
下記は、試薬などを入れるガラス製の試薬瓶のフタです。ガラス瓶の場合は、こぼれるとより良くない内容物の場合が多いので、しっかりトルク管理したいところです。

通常作業時の締付トルク2.2N・m程度
→ガラス耐熱瓶瓶等に使われるタイプのフタです。容器も蓋も強度が高い材質の為、限界締付トルク上限はとても高く、4.0N・mまで滑らず締め付けられます
下の動画は、簡易キャッパーGTでこの容器のふたを締めている様子です。この動画では、デジタルトルクレンチを使って、どこまで強く締付が出来るかを測定しています。
この動画では4.29N・mで締め付けていますが、フタの小ささを考えると、これは非常に高いトルクです。このフタをこのトルクで締めると、握力自慢できるぐらいの人でないと開けられません。これは、フタについている滑り止めの凸凹がとても小さくて滑ってしまう為でもあります。製造ラインではこんな強く締め付ける事はありませんが、GTタイプのフタ固定具の高い性能が分かって頂ければと思います。
上記を見て頂けるとわかるように、GTタイプのフタ固定具は、実際の充填ライン上での作業時に使用する締付トルクよりも十分高い実用締付トルク上限を持っています。また、GTタイプのフタ固定具は、締付の際にフタに対して滑らないので、摩耗はほとんどありません。その為、GTタイプのフタ固定具は、長く使用して頂くことが出来ます。
詳細は、お問い合わせください。
上記カタログは2024年最新版に更新しました (更新日2024/8/29)
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