簡易キャッパーの締付工具は、防爆型も含め、下記のようにいろいろあります。容器の種類や、締付トルク値・制度、作業者の好みによって、最適なものを選択します。下記写真は、それらの工具に固定具が取り付けた状態です。これらはあくまでも使用する工具の一例で、容器や使用条件で使用する工具は異なってきます
トルクレンチ
トルクレンチは、様々なものがありますが、使い勝手や重さ、得られる情報によって最適なものを選択します。
トルクレンチは、希望の締付トルクを工具に設定して使います。締付け中に設定トルクに達すると、音や手の感触やデジタル表示などで分かるようになっています。作業者の熟練が多少必要ですが、簡単に設定トルクの±2N・m程度の誤差で締め付けられるようになります。




電動トルクドライバー
電動トルクドライバーは、小さいフタに適しています。BIB容器や、4L程度までの小さいポリ容器(締付トルク4N・mぐらいまで) によく使用されます 。電動トルクドライバー中には自動クラッチがついており、回転が設定したトルク値に達するとクラッチが離れ空回りする事により、一定トルクでの締付ができるようになっています。ただ、このようなタイプの電動ドライバーの締付トルク値は低いため、5L以上の蓋が大きいタイプのポリ容器には使えないのが残念なところです(高トルクの電動ドライバーもあることはあるのですが、この目的には適していません)。
下記の写真の電動ドライバー部分は、旧型のE2A型。高精度型には数字の後にAが付いています。この高精度型のドライバーに付属しているフタ固定具は高精度型になります。容器やフタの特性により、様々な電動トルクドライバーから目的に合ったものを選択・使用します。
補足: 市販の高精度トルクドライバーをそのまま使っても、高精度にはならないのでご注意ください。
お客様から、電動トルクドライバーに関してご質問がありましたので、補足致します。
高精度簡易キャッパーは、最適化された電動トルクドライバーと、様々な工夫が取り入れられたフタ固定具を併せて使用する事により初めて高精度になります。市販の電動ドライバーをそのまま使用しても、高精度簡易キャッバーの様なトルク精度は出ません。ご注意ください。
市販されている一般的な電動トルクドライバーでは高精度締付が難しいのでしょうか。主な理由を下記の図で説明いたします。
ポリ容器における締付強度のばらつきは、主にフタや容器部分で発生します。そしてそのバラつきの大きさは、市販の高精度な電動トルクドライバーよりも明らかに大きいのです。その為、そのような高精度な電動トルクドライバーをそのまま使用しても、ドライバー部分以外でばらつきが発生してしまう為、高精度にはなりません。(もちろん、安価でばらつきが大きい電動ドライバーを使用した場合も、高精度にはなりません)。
開発技研の簡易キャッパーでは、高精度な電動トルクドライバーと最適化されたフタ固定具を、最適な条件に設定して使用する事により、上図の右の棒グラフの様なばらつきを低減させ、高精度な締付を達成しています。このような理由から、開発技研の簡易キャッパーは、電動トルクドライバーとフタ固定具のセットで販売を行っています。
ドライバースタンド
簡易キャッパーは便利ですが、締め付ける容器の数が多くなってくると、電動ドライバーを容器口の近くに持って行くのが面倒になってきます。その為、電動トルクドライバーを容器のの少し上に固定し、締付の時だけ手で容器口迄引き下ろすと、とても使い勝手がよくなります。この方法は昔から広く使われています。通常、スタンドか天井からツールバランサーと言うバネ式の自動巻き上げリールを介して電動トルクドライバーをぶら下げます。
簡易キャッパーは元々、開発技研製充填機のオプション品の一つで、下記の写真の様に、充填機本体からぶら下がった状態で搭載されています。

しかし簡易キャッパーを充填機無しで単独で使用したい場合は、別途スタンドが必要になります。その為に使用するのが、簡易型ドライバースタンドEC-STです(写真は後日掲載します)。ドライバースタンドEC-STは床置きで、2m程度のポールが床から垂直に立っている構造になっています。その上端付近に、上記写真のツールバランサーと簡易キャッバーを取り付けた形になります。この簡易スタンドはシンプルかつ安価で、平らな床面があれば設置できます。そして50ml ~2L程度の小型ポリ容器や20LまでのBIB等に、使用する事ができます。また、エア式の高精度簡易キャッパーにも使用する事も出来ます。
しかし容器が大きくなり、フタの締付トルクが3.5N・m程度以上になってくると、電動トルクドライバーから手に来る反動がつらくなってきます。そうなると、上記の簡易ドライバースタンドは使用できなくなります。その場合は、中・強トルク用の強化型ドライバースタンドEC-STHはを使用します(下記の写真)。このスタンドでは、ドライバーを固定するので、高いトルクで簡易キャッパーが回転しても大丈夫です。この状態で、手で電動トルクドライバーを昇降させてフタ締めを行います。
この強化型ドライバースタンドを使っている様子は、「簡易キャッパーECシリーズ」のページ中頃の動画「中トルク型の高精度簡易キャッパーによる5Lポリ容器の締付」でご覧になることが出来ます。容器が500ml以上の場合は、簡易型EC-STよりもこの強化型ドライバースタンドEC-STHの方が楽に作業ができます。で、フタ閉めをする容器の数がとても多い場合は、強化型の方をお勧めします。
エアレンチ
大量の20Lポリコン・タマカンをがっちり締めるならば、このタイプ。コストパフォーマンスも最高です
エアレンチは比較的安価で強い力が発生するので、20Lポリ容器で良く使用されます。いろいろなエアレンチがありますが、それぞれ特性が違うため、使用方法に応じて最適なものを使用します。







電気が使えない防爆環境下で作業するなら、エア駆動の簡易キャッパーがお勧め!
引火性の液体の充填は、防爆環境で行います。そのような場所では通常の電動工具は使えません。その様な防爆環境で使える高精度簡易キャッパーの問い合わせが多かった為、エア式の高精度簡易キャッパーの開発を行いました。下記は20L BIB容器を締め付けている時の写真となります(モザイクですいません)。
このエア式の高精度簡易キャッパーを使ってフタ締めを行っている様子は、「簡易キャッパーECシリーズ」のページ後半の「エア駆動タイプ高精度簡易キャッパーを使用した20L-BIBの締付」でご覧になることが出来ます。
そのBIBの締付の動画の下に示してある50回連続締付を行ったデーターからは、このエア式の高精度簡易キャッパーの直後開栓トルクのばらつきは、±3.8%でした。これは電動式のトルクドライバーEC-E3A-Bの時のばらつきの±3.2%(バロンボックスBIB)とほぼ同等です。つまり、今まで「エア工具で締め付けると誤差が大きいからねぇ」と言う不満は、このエア式高精度簡易キャッパーを使えば解決することになります。
その他の締付工具
他には、サーボモーターを使用した高精度電動ドライバーモデルもあります。このモデルでは充填機への組み込みモデルとなり、通常は自動キャッパーとして搭載されます。締付の際、サーボアンプからの情報使ってフィードバック制御しながら、高度な速度制御を行い締め付けを行うため、ポカ(締付ミス)のない正確な締付けができます。またこのモデルでは、締付トルク値のログ記録もできます。詳細はお問い合わせください。
容器が500ml以上の場合は、簡易型EC-STよりもこの強化型ドライバースタンドEC-STHの方が楽に作業ができます。で、フタ閉めをする容器の数がとても多い場合は、強化型の方をお勧めします。
上記カタログは2024年最新版に更新しました (更新日2024/8/29)
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