各種容器のふたを締める半自動キャッパーです。ご指定の容器に最適なものを製作します。
開発技研の充填機と共に使用すると、20Lポリコン・タマカン容器への20kg充填で、1時間当たり最大180容器の高速充填作業が可能になる優れものです。単品購入のご希望が多いため、単品での販売も行っています。最小50mlから、防爆型も含め、様々なタイプがあります
容器のフタ締め作業で、困ったことはありませんか?
使っている容器は珍しくで、フタ締め工具が売ってない。。。。
工具は買ったけど、重いし使いにくいし辛い。フタにも傷が付くし
充填個数が増えてタクトを上げたいのだけど、自動充填機は高価でとても手が出せない。。。。
開発技研の簡易キャッパーなら、安価にその問題を解決できます!
化学薬品を始め、食品や日用雑貨の様々な容器でご使用いただいております
簡易キャッパーの特徴と導入のメリット
・長年工場で鍛えられた産業用半自動キャッパーです。ご指定の容器に合わせて製作した専用のフタ固定具と、最適な締付工具を組み合わせたセット商品です
・フタに乗せるフタ固定具は、3Dプリンターの微細加工技術で製作した樹脂製。特殊な形状のフタにもぴったり対応し、高いトルクで締め付け可能。フタに傷が付くのも防げます
・締付後の直後開栓トルクのばらつきで見ると、高精度型モデルのトルク精度は、手締めのトルクレンチと同等か少し高い精度があります。高精度で高いタクトの充填ライン設計ができます
・作業者の手首や体への負担が激減し、作業者に好評です
・使用開始後、長時間輸送でもフタのゆるみのクレームが来なくなったと好評
・樹脂部分は特殊な製法で作られ、とても高い強度と寿命を持っています。安心して長期間使用できます
・手締めのトルクレンチとフタ固定具を組み合わせたセットもあります
上記カタログは2024年最新版に更新しました (更新日2024/8/29)
簡易キャッパーとは
簡易キャッパーは、ご希望の容器、締付トルク、作業内容に合わせてオーダーメイドで製作する半自動キャッパーです。フタの縁に引っ掛かりがあるタイプならば、ほぼあらゆる容器に合わせて作製できます。
小容器の低トルクで締め付けるものから、20Lポリコン・タマカン容器の30N・m程度の高トルクで締付けるものまであります。詳細は、締付工具のページで紹介しています。














下記の写真は、BIB容器用の簡易キャッパー(旧モデルEC-D1)を充填機に搭載した時の写真です。
この場合、簡易キャッパーは自動巻き上げのリールにぶら下がった状態で使用します。フタ締めの時に引き下げ、締付後に手を離すと自動的に巻き上げられます。黒い棒状のものが電動トルクドライバーで、調節ダイヤルを回することにより、締付トルクを調節できます。先端についている白いものが、樹脂製のフタ固定具です。この固定具は、特殊な製法の3Dプリンタで製造しているため高強度・高寿命で、40万回以上の締付寿命の実績があります。

下記の動画は、簡易キャッパー搭載型の充填機を使った、BIB容器への充填の様子です。充填に引き続き、フタ閉めを流れ作業で行う事により、高速・高精度締付を簡単に行う事ができます。
簡易キャッパー搭載タイプのLTP型充填機による充填・締付の様子
簡易キャッパーECシリーズの主な商品ラインナップ
簡易キャッパーは大きく分けて、下記の4種類に分けられます。
- トルククラッチ付き高精度型電動ドライバー(EC-E*A)。以後、高精度型電動トルクドライバーと呼びます
- トルククラッチ付き高精度型エアドライバー(EC-A*A)。以後、高精度型エアトルクドライバーと呼びます
- 高タクト型のエアラチェットレンチタイプ(EC-R, EC-RI)
- 手動(手締め)のトルクレンチタイプ(EC-T)
これらは分類は、下の図では、緑の帯で示されています。以前は高精度型ではない電動トルクドライバーモデルが有りましたが廃番となり、現在は全て高精度型に移行しています。
通常は高精度型電動トルクドライバーを使用しますが、引火性の液体の充填ラインなど、防爆環境下で使用する場合は、高精度型エアトルクドライバーを選択します。
締付トルク精度はそこそこで良くて、簡単に強いトルクで大量の容器のフタを締めたい時は、エアラチェットレンチタイプ(EC-R)を使用します。手首への反動が少なく、簡単に強いトルクで締め付けられるので重宝します。パレット上の大量の20Lポリコン・タマカン容器のフタ閉め・外しをする場合などに非常に効果的です。
手締めのトルクレンチを使用するモデル(EC-T)は、必要に応じて使用します。これらの締付工具の詳細は、「簡易キャッパーの締付工具」のページをご覧ください。
これ以外にも周辺機器として、ドライバースタンド(EC-ST、EC-STH)や、作業台上で容器を固定するホルダー(EC-BH)も有ります。
以下に、これらの簡易キャッパーの特徴や使用例をご紹介します。
フタに乗せるフタ固定具は、大きく分けて3種類
電動トルクドライバーやエアドライバーなど締付工具の先端についている円筒形の物がフタ固定具です(下写真参照)。締付の時に、フタに乗せてフタごと回転して締付を行います。








締付工具の先に取り付ける樹脂製固定具も、最適な材質、形状を選択して作製します。この固定具がフタに乗っかる形でフタを固定し、フタ閉めを行います。
フタ固定具は、ご指定の容器のフタに合わせて、3Dプリンターで専用のものを設計・製作します。その為、フタにピッタリで最適なものをご用意する事ができます。材質は基本的に樹脂ですが、詳細はフタ固定具のページで紹介しています。
フタ固定具の種類は、下記の図のように、フタの形状に合わせて3種類のタイプから選びます。通常型(下図中央)は、フタの外周にある滑り止めの出っ張り(赤矢印)がある程度以上大きいフタが対象になります。大きなフタは通常締付トルクも大きくなるため、そのトルクで滑らないように、でっぱりも大きくなります。
もう一つのタイプは、フタの滑り止めの出っ張りがとても小さいタイプのフタに使用され、GTタイプのフタ固定具となります(下図左側)。下図のフタの写真で示したように、とても出っ張りの凸凹が小さいフタの場合に使用されます。通常このようなフタをしっかり締めるためには、大掛かりな装置が必要となります。そこで開発技研では、3Dプリンターの微細造形技術を使ってGTタイプのフタ固定具を開発し、非常にシンプルで使い易く且つ、しっかりと締め付ける事が可能になりました。
このGTタイプのフタ固定具は、締付の力を利用して、フタ固定具がフタを強く掴む構造になっています。その為、フタ固定具をフタに取付けたり外したりするときには軽い力でできますが、強いトルクで締め付ける事が出来るという、特徴を持っています。このGTタイプのフタ固定具の詳細は、「簡易キャッパーEC-GT」のページをご覧ください。
3つ目のタイプは、SCタイプと呼ばれるもので、複雑な形状のフタに対応したものです。フタの複雑な形状を3Dスキャナーで取り込み、3Dプリンターの微細造形技術で最適な形状のフタ固定具を作製します。このタイプの情報は、後日掲載致します。
簡易キャッパーの特長とメリット
高精度型簡易キャッパーGTを使えば、滑り止めが小さいポリ容器も、簡単正確、そして安価にフタ締めできます!
簡単な様でフタ閉めが繊細で難しい小型ポリ容器。特に滑り止めの小さいフタは厄介です。今まではそのようなフタは、手締めか、トルク管理が出来ない締めるだけの電動ドライバーか、とても高価な自動キャッパーを使わざるえなかったのですが、高精度型簡易キャッバーGTを使えば、簡単・正確、そして安価に半自動締付を行うことが出来ます。
下記はよくある1.8Lポリ容器のフタですが、滑り止めの引っ掛かりがとても小さいです。一般的にはこのようなフタは、キャッパー泣かせで、回転力をフタに伝えるのが難しく、高価で複雑な機構を必要とする場合が多いです。

左はサイズ把握用の単三電池
しかしGT型のフタ固定具は、回転力を使ってフタを強く掴む構造になっているため、このようなつるつる気味のフタでも強く締め付ける事が出来ます。このGT型フタ固定具を装着した、高精度型簡易キャッパーEC-D2A-GTで締め付けた結果が、下記のようになります。

安定に高い締付精度で締め付けられることが分かります。トルククラッチが付いているので、規定の締付トルクに達すると、機械式トルクレンチのように、「カチッ」と音がして規定トルクに達したことが分かります。
ちなみに開発技研の全ての試験データーは、誤差が少なくなる特殊な条件(機械を使った正確な動きと速度)で測定した非現実的なデーターではありません。実際の作業で行う容器やフタの固定法と作業時間で行った時の結果で、より実際の作業時と近いものとなります。
(240831追記) 上記の65回連続締付の際の直後開栓トルクのばらつき%SDは、±3.5%となります
簡易キャッパーGTの締付の様子(動画)と詳細な情報は、「簡易キャッパーEC-GTのページ」をご覧ください。
簡易キャッパーGTの詳細なデーターは、「簡易キャッパーの試験データー」をご覧ください。
高精度簡易キャッパーを使えば、BIB(バッグインボックス)も、楽に、正確にフタ締め!
下の写真は、BIB用の簡易キャッパーの締付の様子です(動画は、簡易キャッパーの動画のページをご覧下さい)。充填後、手でBIBのフタを容器口に軽く取り付けた後、簡易キャッパーで締め付けます。締める作業は2秒程度。誰がいつ締めても、設定したトルクでフタ閉めできるので安心。「無くても大丈夫」と最初は思っても、使うとポカ(締めそこないや低トルク締付)も防止でき、手放せません。人の感覚は個人差もあり、同じ人でも一日の中で締付トルクは変わります。
下の上側の写真は、スピード重視の簡易キャッバーEC-D1(旧モデル)、下側の写真は高精度簡易キャッパーEC-D3Aです。
ちなみに開発技研では締付工具を改変して使用しているため、市販の電動ドライバーやレンチをそのまま使用しても、高精度簡易キャッパーの精度は出ませんので、ご注意ください。

BIBは多くのメーカーさんから販売されていますが、下記の写真は、その一つZacros BIBのフタです。


このフタは少し手強いのですが、高精度型簡易キャッパーEC-D3Aを使用すれば、楽に高精度な締付ができます。ちなみに通常、右手で電動トルクドライバーを持ち、左手でBIBの内袋(テナー)の口の白いリングの部分をもって締め付けます。締付が規定トルクに達するとクラッチが外れて、カチッと音がして回転が止まります。作業しやすいのが特徴です。
このように特別な治具が無くても、手持ちで高精度な締付が行えるのも、簡易キャッバーの特徴です。下記のグラフは高精度簡易キャッパーEC-D3Aを使って、連続して53回締付けテストを行った際の直後開栓トルクのばらつきです。

十分な締付精度が得られています。この持ち方で機械式のトルクレンチで締め付けてもこの程度のばらつきは発生します。上記開栓トルクは、容器口を手で持ってデジタルトルクレンチで測定する簡易測定法なので、トルク測定装置を使用した測定値よりは誤差は大きめに出ます。そのため、実際の開栓トルク値の誤差はもう少し小さいと考えられます。
(240831追記) 上記の53回連続締付の際の直後開栓トルクのばらつき%SDは、±3.2%でした
一般的にBIBのメーカー推奨締付トルクは 3~3.4N・mで、開栓トルクは締付トルクの1~2割減程度になります。それを考慮すると、このぐらいがちょうど良いところです。
次に下記は、高精度簡易キャッパーEC-D3Aを、小泉製麻さんのバロンボックスクリーンに使用した場合の、開栓トルクのばらつきです。この容器でも上記の容器と同様に、十分な締付精度が見られます。

(240831追記) 上記の53回連続締付の際の直後開栓トルクのばらつき%SDは、±3.2%でした
詳細なデーターは、「簡易キャッパーの試験データー」ページをご覧ください。
高精度簡易キャッパーとこれまでの簡易キャッパーの比較は、「簡易キャッパーの試験データー」ページの「ご質問に対して1」をご覧ください。
5L~20Lのポリ容器でも、中トルクタイプの高精度簡易キャッパーを使えば、簡単に高精度締付けできます!
容器がもっと大きくなって、締付トルクが4N・mを超えても、中トルクタイプの簡易キャッパーを使えば、高制度締付ができます。下記の写真は、5L容器のフタの例です。
開発技研の簡易キャッパーでは、ざっくり4N・m以下を小トルク、4~16N・mを中トルク、それ以上を高トルクとして分類しています。上の写真のフタは6~7N・m程度の締付トルクで締め付ける設定なので、下記の様な中トルクタイプのトルククラッチ付き電動ドライバーを使った簡易キャッバーを使用します。
中トルクタイプの高精度簡易キャッパーEC-D4A-Pを使用した、5Lポリ容器の締付の様子(上の動画は前モデル, 下は現行モデル)。電動トルクドライバーは、スタンドに取り付け使用します (スタンドの構造は、台との固定方法により変わります)
小トルクの簡易キャッパーと異なり、中トルク以上の簡易キャッパーでは、上の写真の様に電動ドライバーはスタンドに固定して使用します。そして電動ドライバーを手動で昇降させ、容器のフタにセットして、半自動フタ閉めを行います。
この電動ドライバーのトルククラッチの設定値を変えることにより、下記のように超トルクタイプのセットでは、約4~17N・mの直後開栓トルクになる程度の締付けを行う事ができます(締付トルクで表記するとおよそ5~18N・m)。
また中トルクタイプの高精度簡易キャッパーでは、フタ閉めの際、容器をスタンド下にある板に押し付けて締付中の容器が動くのを防ぎます。20Lのポリコン・タマカンに充填物が一杯入った状態では、容器を押し付け無くても問題なく締付が行える場合も多々ありますが、より安全の為に、そのような仕様にしています。「締付の時に、容器は回ってしまうものでしょ」という方もいらっしゃいますが、締付け条件を最適化すれば、締付による反動はある程度低減させることができます。ただ、5L程度の容器では軽い為に、締付の際に容器が少し回転してしまいトルクの誤差が発生してしまうので、上の動画様に、スタンド下の板に容器を押し付けて締め付けを行います。
このセットで連続して締付テストを行いました。締付直後に開栓トルクを測定し、そのバラつきをグラフにしたのが下記です。
中トルク型の簡易キャッパーEC-D4A-Sも、開栓トルクのばらつき(%表示の標準偏差)は±3.7%で、低トルクタイプの高精度簡易キャッパーと変わらない締付精度がある事が分かります。つまり、手締めのトルクレンチと同等か少し高いトルク精度がある事が示唆されます。
20Lのポリコン・タマカン容器は、高トルク型の高精度簡易キャッパーで、体に負担なく、早くそして正確にフタ締め!
20Lポリコン・タマカンタイプ系の容器は優秀な容器ですが、多くの場合20 N・m以上締付トルクを必要とします。このぐらいのトルクからは、高トルク型の高精度簡易キャッパーを使用する事になります。
この高トルク型の簡易キャッパーも、中トルク型と同様に、ドライバースタンドに固定して使用します。ドライバースタンドは、中トルクタイプと高トルクタイプの電動トルクドライバーて共通です。締付時には、容器を電動トルクドライバーの下にセットし、ドライバーを手で引き下ろしてフタにセットして締付を行います。
容器をセットする際は、ドライバー下の板に押し付けるだけです。この程度の固定で安定に締付が行える設計になっています。実際、エアレンチ型の簡易キャッパーは、30 N・m以上でポリコン・タマカンを締め付ける事が有りますが、それでもローターコンベヤ上の容器は抑え無しでフタ閉めをすることが手出来ます。
高トルク型の高精度簡易キャッバーEC-D5A-Pを使った20Lポリコン・タマカンの締付の様子は、下記の様になります。
高トルクタイプの高精度簡易キャッパーEC-D5A-Pを使用した、20Lポリコン・タマカン容器の締付の様子。電動トルクドライバーはスタンドに取り付けて使用します (スタンドの構造は、台との固定方法により変わります)
この高トルクタイプの高精度簡易キャッパーを使用した時の結果を下に示します。まず広く使われている、ポリコン・タマカン容器ですが、開栓トルクが20 N・mになる締付であっても、ばらつきは、標準偏差で±0.6 N・mです。これは%で表記すると、±2.9%の標準偏差であり、小トルクタイプ、中トルクタイプと同程度の精度です。
次に下のデーターは、20Lハイテナーのテスト結果です。20Lハイテナーは、10~15 N・mで締め付ける事が多いので、通常、中トルクタイプの高精度簡易キャッパーで締付は可能ですが、今回は、たまに行われるハイテナーの高トルク締付けの条件(締付トルクが25N・m以上)で、あえてテストを行ってみました。高トルクタイプの高精度簡易キャッパーを使用した時の結果を下に示しますが、例外的に強いハイテナーの締付け(締付トルクが25 N・m以上)であっても、ばらつきは標準偏差で±0.6 N・m、%で表記では±2.9%の標準偏差であり、高い精度を維持しています。
この高トルクタイプの高精度簡易キャッバーを使った締付は、体に負担が掛からず、早く正確に締付を行うことが出来ます。締付の様子の動画を見て頂くのが雰囲気が伝わりやすいと思います。近日中に動画を掲載いたします。
20Lのポリコン・タマカン容器を大量に処理する場合は、エアレンチ型簡易キャッパーでがっちり締め付けて、ゆるみ事故なし!
大量の20Lポリコン・タマカンのフタ閉め・蓋開けをしたい時は、エアレンチタイプの簡易キャッパーを使えば、あっという間に処理できます。このタイプの容器のフタでは、通常20N・m以上(お客さんによっては30N・m前後)で締付を行うので、若い男性の方でも大量にさばくと、知らず知らずのうちに体に負担がかかっています。一度簡易キャッパーを使うと、以後これなしでは作業できないぐらいに楽に感じるとの事です。特に、再利用の容器・フタを使用する場合は、要求される締付トルクがより大きいので、さらに大きな効果が期待できます。
下の写真は、20Lポリコン・タマカン用の簡易簡易キャッパーです。またその下は使用例の動画です。握っている部分がエアラチェットレンチで、レンチの先についてるのが、黒い樹脂製のフタ固定具です。これを使うようになって、「長年苦しんできた腱鞘炎が治った! 」と喜んで下さる現場の方もいらっしゃいます。 簡易キャッパーの価格は安いので、作業場(作業員)の数、購入される方が多いです。
(240831追記) 高精度型ではないエアレンチ型の簡易キャッパーで20Lポリコンを締めた時、直後開栓トルクのばらつき%SDは、±7.0%でした
20Lポリコン・タマカン容器のフタ閉めの様子
締付工具はそれぞれ特性が異なりますので、目的に応じて最適なものを選択します。
簡易キャッパーは、フタを開ける方向にも使えます。大量の使用後容器のフタ開け作業にも使えます。
電気が使えない防爆条件下でも、エア式の高精度簡易キャッパーならば、簡単に高精度締付ができます!
電動トルクドライバーはトルク精度が高く重宝しますが、引火性の溶液の充填などで必要な「防爆」環境では残念ながら使用できません。そのような環境で使用できるトルク精度が高い簡易キャッパーのお問い合わせを多くいただいていたことから、エア駆動の高精度簡易キャッパーの開発を行いました。
電動タイプの高精度簡易キャッパーに使えるフタは全て、このエア駆動でも使用できます。下記ではよく使われるBIB容器を例にして、エア駆動の高精度簡易キャッパー(EC-A3A-B)の特徴を紹介します。
下記の動画はこのエア駆動の簡易キャッバーを使ったBIBの締付の様子を示しています。
締付操作上、エア駆動と電気駆動での違いはほとんどありません。締付けの容器数が多い場合は、ツールバランサーでぶら下げて使用すると、更に使い勝手がよくなります。この程度の締付トルク(3~3.3N・m)では手首への反動は問題とならないので、シンプルなタイプのドライバースタンドEC-STが丁度良いです。
下記は上記の動画の様な締付を、連続で**回行った時の直後開栓トルクのばらつきを示したものです。ばらつきの指標である%SDは3.8%であり、手締めのトルクレンチと同等か、少しばらつきが小さいです。つまり、直後開栓トルクで見ると、このエア式の簡易キャッパーは手締めのトルクレンチと同等かそれよりも少し精度が高いという事になります。
(240831追記) 上記の50回連続締付の際の直後開栓トルクのばらつき%SDは、±3.8%
高精度簡易キャッパーと言うけど、手動のトルクレンチとどのぐらい違うの?
やはりフタ締めで一番気になるのが、締付け強さのばらつきです。もちろん作業員間のばらつきも気になりますし、同じ作業員でも、ばらついていないか心配です。
では実際に、電動トルクドライバーを使用している高精度タイプの簡易キャッパーのばらつきはどの位なのでしょうか? また、そのバラつきは、手動のトルクレンチを使った場合とどのぐらい違うのでしょうか? そのあたりの気になるところを明らかにするために、両方法の締付データーを同じ基準で比較してみましょう。
20Lポリコン・タマカン用の高トルクタイプの高精度簡易キャッパーのばらつき
この比較は、締付を行った直後に開栓トルクを測定する試験を連続で行った結果を使用します。まず、20Lのポリコン・タマカンタイプの容器を使ってた測定の結果を下のグラフです。上側のグラフは、高トルクタイプの高精度簡易キャッバーEC-D5A-Pの結果で、下のグラフは手動のトルクレンチの結果です。
図. 高トルクタイプの高精度簡易キャッパーとトルクレンチを使った時の直後開栓トルクのばらつきの比較
グラフ中に「バラつき」と書いた値が、そのフタが締まっている強さのばらつきになります。この数字が小さい方が、ばらつきが小さいという事になります。解析方法をお知りになりたい方は、下記の小さい囲み内をご覧ください。
(測定と解析に関してお知りになりたい方のみお読みください) 上側のグラフは、高トルクタイプの簡易キャッバーEC-D5A-Pを使って100回測定を行った時の結果で、下のグラフは手動のトルクレンチで60回の同様な測定を行った様子です。締付の強さは上下の測定で異なりますが、この程度ならば大丈夫です。比較には、%標準偏差というものを使います。グラフ中に「バラつき」と書いた値がそれにあたります。これは、得られた直後開栓トルクの標準偏差を平均値で割ったものです。この数字が小さい方が、ばらつきが小さいという事になります。
上の試験の結果、高精度タイプの簡易キャッパーのばらつき(%標準偏差)は±2.9%、トルクレンチでは±4.4%でした。この結果は、トルクドライバーを使った高精度タイプの簡易キャッパーの方が、トルクレンチよりも、ばらつきは小さい事を示しています。
なぜトルクレンチの方がバラつきが大きいの? と不思議に思われるかもしれません。しかしこのぐらいのトルクになってくると、トルクレンチでは片手持ちで締め付けるために、フタに、回転方向以外の方向にも力が掛かってしまう為だと考えられます。電動トルクドライバーでは、力はほぼすべてフタの回転力に伝わり、フタに余計な力がほぼかからないので、ばらつきを小さく締付を行う事が出来ると考えられます。他の記事でも書きましたが、トルクレンチで柔らかいポリ容器を正確に締めるのは実は難しく、結構ばらついてしまうのです。
中トルクタイプの高精度簡易キャッパーのばらつき
次に、中トルクタイプの高精度簡易キャッパーのばらつきをトルクレンチと比較してみましょう。下記のグラフの上側は電動トルクドライバーを使った高精度簡易キャッパーの結果で、下側はトルクレンチを使った結果です。
図. 中トルクタイプの高精度簡易キャッパーとトルクレンチを使った時の直後開栓トルクのばらつき
トルクレンチを使った時のばらつきは±4.5%で、先の高トルクタイプの比較の時の結果(±4.4%)と近い値でした。つまり、このぐらいのばらつきが、トルクレンチ使用時のばらつきと見積もれます。電動トルクドライバーを使用した時は、トルクレンチ使用時の値よりもばらつきは小さく、±3.7%となります。このように、中トルクタイプの高精度簡易キャッパーも、トルクレンチと同等かそれより少し精度が高い(ばらつきが小さい)という結果が得られました。
低トルクタイプ、微小トルクタイプの高精度簡易キャッパーのばらつき
ではより締付トルクが小さい低トルクタイプ、微小トルクタイプの高精度簡易キャッパーのばらつきはどうなのでしょうか。下記のグラフの上側は微小トルクタイプの電動トルクドライバーを使った高精度簡易キャッパーの結果で、下側は小トルクタイプの電動トルクドライバーを使った高精度簡易キャッパーの結果です。
図. 微小トルクタイプ(上グラフ)と小トルクタイプ(したグラフ)の電動トルクドライバーを使った高精度簡易キャッパーの直後開栓トルクのばらつき
微小トルクタイプの簡易キャッパー(電動トルクドライバーです)のばらつきは±3.6%で、小トルクタイプでは±3.0%でした。これらのばらつきの値は、先ほどの高トルクタイプと中トルクタイプのばらつき±2.9%と±3.7%と近い値になっています。つまり、高精度簡易キャッパーで締め付けた時の直後開栓トルクのばらつきは、±3%~±4%程度という事が言えます。以上の結果をまとめると、
(まとめ) 高精度簡易キャッバーの直後開栓トルクのばらつきは、手動のトルクレンチで締めた時と同等か、それより少し良い(ばらつきが小さい)
ということになります。トルクレンチよりもばらつきが小さいのは、一見意外ですが、面白いですね。人の操作ムラの影響が少ない上にトルク管理されている、電動ドライバーの方がバラつきが小さいのは、「よくよく考えてみたら、そうなるよね」とも感じますね。
(補足) 市販の電動トルクドライバーをそのまま使用しても、高精度簡易キャッパーの性能は出ません。
本サイトのお問い合わせフォームかメールアドレス(info@kaihatsugiken.com)にご一報いただき、容器とフタを弊社までお送りください。見積もりをご用意いたします。フタによって異なりますが、平均4週間程度でご用意いたします。
商品の詳細は下記のリンクをご覧ください
主な仕様
製品シリーズ | 簡易キャッパーECシリーズ |
製品名 | 簡易キャッパー本体 (フタ固定具と締付工具のセット) ・トルククラッチ付き電動トルクドライバー仕様 EC-D2 大量処理タイプ (締付トルク1.0~3.7N・m) EC-D2A 微小トルク高精度型(1.0~2.5N・m) EC-D3A 小トルク高精度型(2~4.5N・m) EC-D4A 中トルク高精度型(5~18N・m) EC-D5A 大トルク高精度型(18N・m以上) ・トルククラッチ付きエア駆動トルクドライバー仕様 EC-A3A 小トルク高精度型(1~3.4N・m) ・エア駆動ラチェットレンチ仕様 : EC-R ・エア駆動インパクトレンチタイプ仕様 : EC-I ・エア駆動パルスレンチ仕様 : EC-P ・トルクレンチ仕様 : EC-T (手動、校正証明書も用意できます) 各種フタ固定具をトルクレンチに取り付けて、手動でトルク管理する仕様です 出っ張りがとても小さいフタにはGT型フタ固定具が有ります GT型はEC-D2A, EC-D3A, EC-T, EC-A3Aに使用できます。 周辺部品(エア駆動仕様は、EC-ARとエアホースが最低限必要です) ・EC-TB: 簡易キャッパーをぶら下げて使用する際のツールバランサー(自動巻取器) ・EC-ST: 簡易キャッバースタンド(上記ツールバランサーとセットで使用します) ・EC-STH: 中・高トルクタイプ高精度簡易キャッバー(EC-D4A, -D5A)用スタンド ・EC-HD: 容器ホルダー (必要に応じて使用します) ・EC-AC: エア駆動仕様用エアコンプレッサー(小型移動式、高圧型) ・EC-AT: エア駆動仕様用補助タンク |
フタ固定具 | 最適なフタ固定具を3Dプリンターで製作します |
主な対応容器 | ・各種小型ポリ容器、ガラス容器 ・5L, 10L, 20L BIB容器 ・10L, 20Lハイテナー容器 ・10L, 20L ポリコン・タマカン・扁平缶、エコガロン、その他各種ポリ容器 フタを固定する固定具は、ご指定頂いた容器に合わせて最適なものを3Dプリンターで作製します 縁に滑り止めの引っかかりが少しでもあるフタならば、固定具を作成できます。変わった容器の固定具も作成いたします。お問い合わせ下さい |
駆動用電気もしくは圧縮空気 | 電動トルクドライバータイプ: AC単相100V15Aコンセント(エアは不要) エア駆動タイプ: 1馬力以上のコンプレッサー |
補足 | 空気駆動のキャッパーの場合、安定な締め付けには安定な圧縮空気の供給が必要です。コンプレッサーの配置場所が、簡易キャッパー使用場所から遠い場合や、より正確な締め付けトルクを必要とする場合は、補助タンクの設置が必要です。 市販の電動トルクドライバーをそのまま使用しても、上記の高精度タイプの様な精度は出ませんので、お気を付けください |
詳細は、お問い合わせ下さい。
上記カタログは2024年最新版に更新しました (更新日2024/8/29)
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